2007年11月27日火曜日

昼下がりの証券会社

昼休みにちょっとした手続きのために某証券会社を訪れた。
急ぐ要件でもなかったので、受付で整理券をもらい、ロビーでのんびりしていた。
店内のバックオフィスが見えないような作りになっており、昔みられたけたたましい電話と忙しい人の行き来はもうない。
店内は最近流行の病院のようである。

嘗て壁一面に埋められていた電光掲示板もなく、今は大型PDが天井から下がり、主要銘柄や地方銘柄、指数の表示をしている。
何となく見にくいが、こうした方がいいんだと後で理解することとなる。

ロビーの椅子は総じて腰が何となく落ち着かない。

待つこと5-10分、店内を見渡すと店員を除いて自分が最年少だということがわかる。
店内のお客の平均年齢はおそらく70歳以上であろう。
この数分の間、ぼーっと店内の観察をしていた。
まずは大画面のPDには、大きめの数字で数字がゆっくりと点滅する。
銘柄群が変わるまで1分弱はあるだろう。
だから見ていると飽きてしまうのである。
仕方がないので、店内に目を移すと、受付嬢になにやら数分以上も話している男性がいる。
聞き耳を立てているわけではないが、声がでかいので聞こえてしまう。
昔のこのあたりで、露天がどーのこーのとまったく証券会社の業務と違う話をしている。
受付嬢はやや笑顔をこわばらせながらも頑張っている。

その光景にも飽きたので、仕事のスケジュールの確認をする。
すると奥の相談ブースから大きな声が聞こえる。
どうやら債券ファンドのヘッジの有無について説明しているようだが、説明がループしているようだ。
チラ見をすると、老齢のご夫人が説明を受けているようだ。
これも聞こうとしたわけではないが、いやでも耳に届いてくる。
驚いたのは扱う金額の大きさ。
オバアサン、帰り道は気をつけてね。

程なく呼ばれ、手続中。

後ろに気配を感じると、かなりの高齢の男性が席の後ろで立っていて、なにやら微かに動いている。
対応した店員さんが戻ってくると、私の頭越しに便所はどこだ、と。

店員さんは、ひるむことなくフロアにいる店員に声がけ。
その後、こちらの用事は済み、席をあとにした。
便所のジイサンはなにやらブースでもめているようだが。

外に出ようとすると、初老の警備員が目礼をする。

証券会社の店舗は昔からそうだとは思ったが、ご老人の集う場所のようだ。

PDの文字が大きいのも、ゆっくりなのも来店する客層を考えてのことなのであろう。
今時、53客の50-60歳代以下はネットか、少なくともコールセンターであろう。
53客以外の顧客には営業担当の訪問があるから、そもそもネットができなくとも困ることはない。

店舗にいる方々はいったいどういう位置づけの人達なのであろう。
いいお客さんにはちがいないだろうが。
なんとなく居心地が悪いのは、雰囲気が病院に似ているせいもあるかもしれない。

なんだか現代の何とも言えない断層を見たような気がする。

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